日々のTwitterモニタリングは発信と同等に重要である! 電子楽器メーカーのTwitter活用術

電子ドラムや電子ピアノといったさまざまな電子楽器や、業務用の音響・映像機材などの製造・販売を手掛けるローランド株式会社。ブランド認知拡大や、想起機会の創出などを目的にアカウント運用を行う同社に、現在の運用体制やTwitter広告の効果的な活用事例などを伺いました。


- まずは、御社が展開するビジネスやターゲットについて教えてください

弊社は、1972年に創業した日本の総合電子楽器メーカーです。電子ドラムや電子ピアノ、シンセサイザーに加え、業務用の音響・映像機材やリスニング機器などの製造・販売を行っています。本格的に活動されているプロアーティストから、アマチュアのエントリー層まで、幅広い方々がターゲットです。電子のテクノロジーを楽器に活用し、電子楽器だからできる新たな表現やサウンドを商品の付加価値として提案しています。

- 企業理念についてもお聞かせいただけますでしょうか

企業理念の1つに“創造の喜びを世界にひろめよう”というスローガンがあります。音楽そのものの価値を広めていくような、新しい可能性に満ちた製品やサービスを生み出すことで、音楽を作る喜びや楽器を演奏する楽しさを提供していきたいと考えて、企業活動に取り組んでいます。

- お聞かせいただいたスローガンは、マーケティング活動とどのように関連させていますか

幅広いお客様に弊社の製品をお使いいただけるよう、各国の文化に合わせてローカライズしたマーケティング活動を行っています。昨今は、顧客理解やブランドロイヤリティの向上などが、取り組みにおける課題です。2018年10月に行われた「楽器フェア」という展示会では、音楽を始めたきっかけや現在の活動など、さまざまなトピックを来場者に直接伺いました。また、ロイヤリティの高いお客様を弊社にお招きして、社員とコミュニケーションできる場も設けています。お客様と企業との繋がりは、製品開発からプロモーション、アフターサービス提供を行う上で、非常に重要です。

- 御社の事業において、Twitterの役割はどのようなものでしょうか

アカウント運用における役割は、大きく分けて3つ。1つ目は、“ブランド認知の拡大”です。アカウントをフォローしてくださっているお客様に、新製品の情報やイベント情報などをタイムリーに発信すると共に、拡散性を生かして、非フォロワーの方にも認知を拡大することを目的としています。広告を出さずとも、幅広い方々にアプローチできる点は、Twitterならではの魅力ですね。

- 残る2つの役割についてはいかがでしょうか

2つ目は、“ブランド想起機会の創出”です。フォロワーの方は、タイムライン上でほぼ毎日、弊社の投稿をご覧になるはず。そうしたブランドとの小さなタッチポイントを継続的に設けることにより、楽器購入を検討される際、弊社を思い浮かべていただくことを理想とします。そして3つ目は、“ブランドエンゲージメントの増大”です。相互コミュニケーションを通じて、ブランドとの繋がりを感じていただき、結果的にお客様のライフタイムバリューを向上できた、と言う状況を創り出せたらと考えています。

- Twitterアカウントの運用を開始された時期や、当時の運用方法について教えてください

弊社が公式アカウントを立ち上げたのは、2011年4月のこと。新製品やイベントなどの情報発信を主な目的として、運用を開始しました。当時は十分な運営リソースを確保することが難しく、フォロワーの方々との対話が難しかったのですが、2018年4月にSNS運用担当のメンバーが部署に配属されたことで、オーガニック投稿の数も増え、お客様とも積極的にコミュニケーションをとれるようになりました。

お話をいただいたローランド株式会社 西澤様   石田様

 

- 現在は、どのような体制で運用されていますか

基本的に、運用担当者1名で行っています。ただし、製品のスペックやプロモーションに関わることなど、正確な情報が求められる領域においては、各製品カテゴリのプロモーション担当者に確認して発信するようにしています。また、運用方針やツイートの方向性で判断に迷う場面があれば、部署内のチームメンバーがフォローにあたることもあります。

- ツイートする際のルールや、意識していることがあればお聞かせください

製品についてのツイートだけでは、既存のファン以外に情報を届けることは難しいと考えています。また、企業としての堅苦しい言葉をタイムライン上に発信しても、カジュアルな雰囲気が好まれるTwitterでは、疎まれてしまう可能性が高いでしょう。そこで、音楽に携わる方が共感できるような小ネタの投稿や、Twitterならではのトレンドや文脈を捉え、そこに音楽を絡めて発信すること、またその際に“中の人”としての身近な言葉を使って、企業の発信や活動に参加しやすい雰囲気を作ることを心がけています。一方で、楽器というクリエイティブな分野の商材を取り扱っているので、“カッコいい”、“憧れる”といったイメージを持っていただくことも重要です。楽器メーカーと”中の人”という個人、それぞれの目線でどのようにバランスを取るべきか、現在も試行錯誤を続けています。

- Twitter広告を利用されるようになった理由はなんですか

リスティング、ディスプレイ広告、他のSNS広告ではリーチできない層の方に、正確に情報を届けられるのではないかと思い、Twitter広告の利用を開始しました。メディアによりお客様と接触できるタイミングや、ターゲティング手法が異なりますので、届けたい情報と広告の相性などを見極めながら活用しています。

- 手応えを感じたキャンペーンや、ターゲティングの例についてお聞かせください

弊社の電子ドラムをお求めになったユーザー様からのフィードバックを通し、ドラム経験のあるお客様が、電子ドラムをお子さまに買い与えるケースが多いという傾向が見えてきました。そこで、弊社の電子ドラムを幼少期から使用し続けてくださっているプロドラマーの親子のストーリーをコンテンツとしてオウンドメディアに制作。ドラムに関する情報を発信されているアカウントでフォロワーターゲティングを行い、演奏動画とともに配信しました。その結果、クリック単価およそ10円で、多くの方に、そのコンテンツをご覧いただくことができました。今後もリターゲティングなども活用し、認知から購買まで、一気通貫で運用していけたら理想的です。

- アカウントを運用される中で、気付いたことはありますか

実際に運用していく中で、発信することと同等に「お客様の投稿を見ること」が重要であることに気づきました。そのきっかけになった事例として、2018年10月に発売されたボイス・トランスフォーマー 「VT-4」という、声をさまざまに変化させられる機材の事例がございます。この「VT-4」の前身機種である「VT-3」の主なユーザーは、当初、ミュージシャンやDJの方々だと認識していました。しかし運用担当が日々、Twitterをモニタリングしている中で、「VT-3」は今年の7月ごろから動画配信や投稿を行うVTuber(バーチャルYouTuber)の方々から大変人気を集めていることが判明しました。

- それに対して、どのようなアクションを起こされましたか

「VT-3」が急速にVTuberに広まったのは、ある一人のVTuberが書いたレビュー記事がきっかけであることまで分かったので、まずはその記事を書かれた方にコンタクトをとってみました。運良く直接お会いすることができたので、実際にどんな形で製品をお使い頂いているか詳しくお話を伺いました。また、「VT-3」の後継機種、「VT-4」をお貸出しし、情報解禁まで自由にお使いいただきました。そして注目が集まる「VT-4」の製品発表タイミングで、VTuber目線での率直な感想などを発信して頂いたところ非常に話題が広がり、弊社の情報解禁ツイートも50万インプレッションを記録。多数のウェブメディアにも掲載され、売り上げも好調に推移しています。

この事例から自社の製品/サービスをどんなお客様が、いつどこで、どのように使っているのかをTwitterを通して掴み、製品やマーケティング施策に反映していくことが重要だと感じました。

- 最後に、今後の展望をお聞かせください

チャレンジしてみたいことがたくさんありますが、近いうちに実施したいのは、演奏動画コンテストです。楽器メーカーとして製品を紹介するだけではなく、それを楽しめる場所や機会を提供することで、企業理念を実現すると共にブランドに対するエンゲージメントを高めるという目的があります。あいにく、楽器は写真やテキストだけでは魅力が伝わりにくい商材です。最も肝心となる音を含めて、魅力を広めていくことが重要だと思っています。それを企業からではなく、ユーザー様から発信していただくためのきっかけづくりにも、挑戦していきたいと考えています。

- ありがとうございました

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